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ガマの穂

ガマの穂(縮景園)

 初めまして、入社二ヶ月目の岡本です。普段は縮景園で植物の管理等を行っています。

 縮景園ではサクラ、アヤメ、ショウブ、アジサイと様々なお花が楽しめますが、

この時期、正門から入って右手側の清風池に、ひっそりと変わり種のお花があるのはご存じでしょうか。

 

 それは『因幡の白兎』で有名なガマの穂です。

 

 念のため内容をお話しすると、

ウサギがサメを騙して海を渡ったものの毛をむしり取られてしまい、

そのうえ嘘を信じて海水を浴びたせいで余計に痛くなって泣いていたところ、

通りがかった大国主命に真水で体を洗いガマの穂の上に寝ころべばよいと教えられその通りにしたところ、

すっかり傷が癒え真っ白い毛も元通りになったという出雲神話です。

 

 実際、ガマの雄花(上部、細い棒状の部分。ちなみに下部の太い部分が雌花です)から採れる黄色い花粉には

止血消炎作用のある成分が含まれているほか、傷口を保護する油分が含まれており、

古来より傷薬に利用されていました。

 

 その他に漢方では花粉を陰干しにしたものを『蒲黄(ほおう)』と呼び薬の原料にするほか、

外国ではパンや焼き菓子に利用する場所もあるそうです。

 

 ガマの穂は他にも利用方法があり、乾燥させたものは蚊取り線香の代用品になるほか、

秋頃に熟して綿状になった雌花は穂綿と呼ばれ火打石の火口(ほくち)に用いられたそうです。

 

 もし縮景園に寄ることがあったら、ほんの少しでも足を止めて見てあげてください。

 地味で目立ちにくいですが、中中の万能選手です。

 

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